大福帳のご紹介

こんにちは 100匹目の羊です。

皆さんは大福帳というのはご存知でしょうか。商売人家系の方ならご存知だとは思いますが、僕はそうではない(婿養子)のでまったく知りませんでした。

大福帳 – Wikipedia

大福帳(だいふくちょう)とは江戸時代・明治時代の商家で使われていた帳簿の一種。大帳(だいちょう)または本帳(ほんちょう)、「大宝恵(おぼえ)」とも言われ、繁盛を願い縁起の良い文字が選ばれた。

売掛金の内容を隈無く記し取引相手ごとに口座を設け、売上帳から商品の価格や数量を転記し取引状況を明らかにした帳簿で商家にとっては最も重要な帳簿の一つであった。通常は美濃紙や半紙を四つ折り20枚程度で一綴りにしたもので不足した場合には付け足していた。

また当時の商業取引の前提として売上は「掛売り」が基本であったため、三井越後屋を代表とする「現金掛値無し」(言い換えると現金購入なら売掛入金の期間分は割引きします)という新商法の台頭までは大福帳=売上帳の機能を担っていた。

今の売上帳みたいなもんですかね。店長が「工場に昔の大福帳があるよ。」とおっしゃっていたのでお店に持ってきてもらいました。

大福帳 2

 右側が「昭和九年 一月吉日」と表記あります。左側は表紙が破れています。「九」と「大」の文字は見えるのと、開けて読むと大正13年~昭和2年ごろの年号があったのでおそらく「大正十三年 九月」だと思われます。

大福帳 3

裏側、背表紙です。当店はもともと綿屋さんだったらしいので「久下製綿所」という名前だったようです。「久下製綿所」→「久下ふとん店」→「100匹目の羊」と続いているんですね。ちなみに大正元年(1912年)創業らしいので現在、創業101年!現店長で4代目、僕は5代目になります。

で、右側の昭和九年の大福帳の表紙を開くと・・・。

大福帳4

なんか書いてあります。

大福帳5

「大副様 私ハ貴君の家来」と書いてあります。

「商売人らしいな~。」とか「大副じゃなくて大福じゃないの?」とか思ったり。飾り枠がレトロでいい雰囲気です。右下にはこんなマークが。

大福帳6

 

「登録商標 ヒカリ印」 

「やっぱりヒカリ印の大福帳だよね~。」
「紙質が全然違うし、使いやすいよね~。」
みたいなのが意外とあったかもしれませんね。それにしても飾り枠はキレイですね。

中はこんな感じです。

大福帳1

もう90年くらい前のものなので、中の個人情報もフリー素材として扱います。

この「加納酒店」はゆめタウン一階にある酒屋さん「加納屋」さんのお家です。

お代金96銭?頂いているご注文は「古わた 1貫200目を打ち直したよ」ということだと思います。その左となりのご注文「中入上二本」というのは、おそらく「中入れわたの特上品」ということだと思います。昭和九年にお代金として「一拾円(10円?)」いただいているので高価な綿だったのではないのでしょうか。

初代「久下 六蔵」さん~二代目「久下 与四郎」さんの時代だと思われます。一通り読ませてもらって長いお店の歴史に少しだけふれることができました。

只今、ニュースレターvol.2を作成中です。今からがんばりま~す。

 

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